床矯正とは?治療できる歯並びとメリット・デメリット
こんにちは。東京都板橋区大和町、都営三田線「板橋本町駅」より徒歩30秒にある歯医者「アース歯科クリニック」です。
床矯正(しょうきょうせい)という治療を聞いたことはありますか。歯科医院で子供の歯並びを改善するためにすすめられたけれど、床矯正とはどのような治療法なのかわからないという方もいるでしょう。
また、失敗しないか・継続できるかなど不安を覚える保護者の方もいるかもしれません。床矯正を適切なタイミングではじめることで、歯並びや骨格を整える準備ができます。
床矯正のメリットだけでなく、デメリットもしっかり理解してから治療を始めれば、後悔や失敗をせずに済むでしょう。
今回は、床矯正とはどのような治療法なのか、またどのようなメリット・デメリットがあるのか解説します。治療可能な歯並びについても解説していますので、小児矯正を検討されている保護者の方は、ぜひ最後までご覧ください。
床矯正とは
お子さんの顎や歯列の幅が小さく、歯がきれいに並ぶスペースがないという場合があるでしょう。床矯正とは、お子さんの顎の成長を促進して、抜歯をせずにスペースを作るための治療方法の一つです。
床矯正では樹脂製(レジン)の床と呼ばれるプレートに、ネジが埋め込まれている装置を使用します。床に埋め込まれたネジを回すことで顎の成長を促し、歯を正しい位置に導きます。
床矯正でできることは、顎の発達を促して歯をきれいに並べるスペースを作ることです。歯並びを細かく調整したり歯を大きく移動させたりはできません。床矯正だけで歯並びを整えられない場合は、その後ワイヤー矯正やマウスピース矯正を行います。
また、床矯正は一般的なワイヤー矯正と比べて痛みが少ないといわれており、子供でも取り組みやすい矯正方法といえるでしょう。
なお、床矯正は手軽に取り組める治療方法ですが、全ての歯並びに対応できるわけではありません。さらに床矯正だけで歯並びを整えられるケースは少ないということを理解し、目的を明確にして治療に取り組むことが大切です。
床矯正は何歳からできる?
床矯正に適した年齢には個人差がありますが、一般的には6〜11歳ごろの骨の成長が著しい時期にはじめるのがよいとされています。この時期は乳歯と永久歯が混在する混合歯列期で、床矯正をすることで永久歯が生え揃う前に、歯をきれいに並べる下準備ができます。
一方で骨格や歯並びの状態にもよりますが、大人でも床矯正で治療することは可能です。
ただし、大人の場合、ほとんどの方が顎の成長が止まっています。確保できるスペースに限界があり、歯を傾ける程度の効果しか期待できない可能性があるでしょう。大人を対象としていない歯科医院もあるので、希望する方は事前に歯科医院に問い合わせてください。
床矯正のメリット
床矯正はメリットが多い治療方法です。ここでは、床矯正のメリットを解説します。
抜歯せずに歯を並べるスペースを確保できる
床矯正の最も大きなメリットは、抜歯をせずに歯を並べるスペースを確保できる点です。歯並びを整えるためとはいえ、健康な歯を抜くことにはリスクがあり、精神的にも身体的にも負担に感じることでしょう。
しかし、床矯正で顎の骨の成長を促進してスペースを確保できれば、歯を抜く必要がなくなります。子供のうちに床矯正をしておくことで、大人になってから骨格を改善するための外科手術を受ける必要がなくなる可能性もあるでしょう。
一時的に費用はかかりますが、将来の大きなトラブルを回避できると考えるとコストパフォーマンスが高い治療法といえます。
取り外しができる
床矯正の装置は、取り外しができます。装置の取り外しができるため、普段通りに食事や歯磨きができます。食べ物が装置に挟まることがなく、歯磨きがしやすい点はメリットです。運動中に矯正器具が当たって口の中を傷つけてしまうこともありません。
痛みが少ない
床矯正では少しずつ力を加えて治療を進めるため、ワイヤー矯正に比べて痛みが少ないです。子どもの場合、痛みがあると矯正治療を続けられなくなることも少なくありません。
床矯正の場合、装置をつけることで多少の違和感を覚えることはありますが、小さなお子さんでも耐えられる程度の痛みといえるでしょう。
費用を抑えることができる
床矯正の費用の相場は30万〜40万円程度です。ワイヤー矯正と比べると費用が安いでしょう。
しかし、前述したように、床矯正だけで歯並びが整うケースは稀です。床矯正をしたあとで、ワイヤー矯正やマウスピース矯正に移行する方が多いでしょう。
床矯正で下準備をしておくことで歯をスムーズに動かすことができ、結果的に矯正費用が安く済むケースも多くみられます。
床矯正のデメリット
床矯正には多くのメリットがある一方で、デメリットももちろん存在します。「やらなきゃよかった」「失敗して後悔した」といったことにならないよう、デメリットも理解しておくことが大切です。ここでは床矯正のデメリットを4つご紹介します。
歯を大きく動かすことはできない
床矯正は顎の発達を促して歯が並ぶスペースを確保することを目的としています。歯の位置を大きく動かすことはできません。歯並びを整えるためには、床矯正のあとにワイヤー矯正やマウスピース矯正に移行する必要があります。
発音や滑舌に影響がでる可能性がある
床矯正だけでなく、矯正装置をつけていると発音や滑舌に影響がでる可能性があります。特に矯正を始めたばかりだと、違和感や異物感に慣れずに飴を舐めているような話し方になることがあるでしょう。
しかし、数週間程度で慣れることがほとんどです。
自己管理が必要
上述のとおり、床矯正の装置は取り外しができるため、食事や歯磨きを普段通りに行えます。
しかし、装着時間を自分で管理しなければなりません。装置を外したときも破損・紛失しないよう管理する必要があります。
お子さんの場合、装置を嫌がって装着してくれない、自分で外してしまうといったトラブルも考えられます。治療をスムーズに進めるためには、子どもが治療の重要性を理解することと、保護者の方のサポートが重要なのです。
歯科医師の知識と経験が必要
床矯正は歯科医師の知識と経験が必要となる治療です。インターネットやSNSで床矯正について調べると「長期間治療しているのに改善しない」「以前より出っ歯になった」といった情報が出てくるかもしれません。
全ての歯科医院に当てはまることではありませんが、なかには知識や経験が不足した状態で床矯正をしている歯科医師が存在することも事実です。
どの治療方法を選ぶかも大切ですが、どこの歯科医院で治療を受けるかも重要です。ホームページで紹介されている実績などを参考に、信頼できる歯科医師を選びましょう。
床矯正で治療できる歯並び
床矯正では顎の骨の発達を促し、歯を並べるスペースを作ることができます。床矯正で治療できる歯並びは、以下のとおりです。
- 叢生(乱ぐい歯・八重歯)
- 交叉咬合
- 受け口(下顎前突・反対咬合)
- 口ゴボ
- 過蓋咬合
- 出っ歯(上顎前突)
- すきっ歯(正中離開)
- 開咬
床矯正は様々な歯並びに対応できます。
しかし、ごく軽度な場合を除いて、多くの場合は床矯正に加えてワイヤー矯正やマウスピース矯正を併用する必要があるでしょう。歯や顎の状態は個人差が大きいため、実際に治療できるかどうかは歯科医院でカウンセリングを受けて相談してください。
まとめ
今回は、床矯正とはどのような治療法なのか解説しました。
床矯正を適切なタイミングではじめることで、抜歯をすることなく歯並びを整えるスペースを作ることができます。痛みが少なく、装置を取り外せるため、お子さんのストレスや負担を減らして治療することができます。
一方で、床矯正だけでは歯並びを完全に整えることはできない点や自己管理が必要な点はデメリットになるでしょう。
この記事が床矯正のメリットとデメリットを正しく理解し、お子さんの歯並びの治療に踏み切る参考になれば嬉しいです。
小児矯正を検討されている方は、東京都板橋区大和町、都営三田線「板橋本町駅」より徒歩30秒にある歯医者「アース歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。
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