重度の歯周病の症状を解説!治療方法や治療費用、放置するとどうなるのか

重度の歯周病の症状を解説!治療方法や治療費用、放置するとどうなるのか

こんにちは。東京都板橋区大和町、都営三田線「板橋本町駅」より徒歩30秒にある歯医者「アース歯科クリニック」です。

歯周病で歯茎が腫れている女性

歯周病は、15歳以上の日本人の約半数に症状が見られるというほど多くの人がかかっている病気です。

初期段階の歯周病は、歯磨きや定期的なクリーニングで対処できることが多いですが、重度の状態にまで進行すると、歯のぐらつきや痛み、さらには歯が抜け落ちる可能性があります。

そのため「重度の歯周病になったらどう対処すればいいの?」という悩みを抱えている方も少なくありません。

この記事では、重度の歯周病になるとどのような症状が現れるのか、またどのように治療するのか解説します。治療にかかる費用や放置するリスクについても解説しますので、歯周病にお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。

歯周病の進行段階

重度の歯周病

歯周病は、早期の段階では自覚症状がほとんどなく、長い時間をかけて進行していくことが一般的です。

しかし、症状がないからといって治療をせずに放置すると、歯を支える骨が破壊され、最終的には歯を失うこともあります。歯周病は、炎症の進行度に応じて歯肉炎・軽度の歯周炎・中等度の歯周炎・重度の歯周炎に分類されます。

それぞれの段階について、さらに詳しく見ていきましょう。

歯肉炎

歯周病は、歯茎に炎症が起こる歯肉炎から始まります。歯肉炎を引き起こす主な原因は、歯垢です。歯垢は白色や黄白色のねばねばした沈着物で、虫歯菌や歯周病菌など口の中の細菌が集まって塊になったものです。

細菌が出す毒素によって歯茎が炎症を起こすと、赤く腫れたり、出血しやすくなったりします。歯垢は、時間が経つと唾液の成分などで固まって歯石になりますが、その表面はザラザラしているため、さらに歯垢が溜まりやすくなります。

歯肉炎の段階では、歯茎にのみ炎症が起きている状態で、歯を支える骨はまだ影響を受けていません。そのため、この段階で適切なケアを行えば、元の健康な状態に戻すことができます。

軽度の歯周炎

歯肉炎を放置すると、歯を支える骨の破壊が始まる軽度の歯周炎へと進行します。軽度の歯周炎では、歯周ポケット(歯と歯茎の境目にある溝)が深くなり、赤く腫れたり、出血しやすくなったりする状態が続きますが、歯のぐらつきはまだ見られません。

中等度の歯周炎

軽度の歯周炎が進行すると、歯周ポケットがさらに深くなり、腫れや出血だけでなく、膿が出ることもあります。歯を支える骨の破壊が進み、歯茎の位置が下がることで歯の根元が見えるようになり、歯が伸びたように感じたりグラグラと動いたりします。

重度の歯周炎

重度の歯周炎は、歯を支える骨の破壊が大きく進んだ状態で、歯のぐらつきが顕著になり、最終的には歯が脱落することがあります。

歯周ポケットの深さは6mm以上とさらに深くなり、しっかり噛むことができず痛みも強くなります。この段階までくると、セルフケアや歯石除去などで進行を抑えることはできても、元の状態に戻すことは難しくなります。

重度の歯周病の症状

歯周病で歯茎が腫れている女性

重度の歯周病は、お口の中の不調だけでなく、日常生活にも大きな影響を与えます。ここでは、重度の歯周病の症状について解説します。

歯がぐらつく

重度の歯周病では、歯を支える骨が大幅に破壊されるため、歯を支えきれなくなりぐらつきが大きくなります。歯がぐらつくことで、食べ物をしっかり噛めなくなったり、会話がしにくくなったりします。

ぐらついたまま放置すると、最終的には歯が自然に抜け落ちることもあるでしょう。

口臭が強くなる

歯周病菌が歯周ポケット内で繁殖し、歯茎や周囲組織の炎症を引き起こすことで強い口臭が発生します。この口臭は、歯周ポケットの深部に蓄積された細菌やその代謝物によるもので、通常の歯磨きやマウスウォッシュでは改善が難しいでしょう。

歯茎が腫れる・出血する

歯茎の腫れや出血は、歯周病の典型的な症状の一つです。歯磨きや食事の際に受ける少しの刺激でも歯茎から出血することが多くなります。また、歯周ポケット内での炎症がひどくなると、歯茎の色は暗赤色になり、触ると痛みを感じるようになります。

激しい痛みがでる

重度の歯周病では、歯茎だけでなく、歯の根元や周囲の組織にも痛みが広がることがあります。これは、歯周ポケットが深くなり、細菌が骨にまで影響を与えているためです。

食べ物を噛むなど力がかかると強い痛みを感じることが多く、日常生活に支障をきたすことがあります。

重度の歯周病の治療方法

歯周病治療を受けている女性

重度の歯周病を治療する際には、基本的な歯周治療から外科的な治療まで、幅広い方法が用いられます。以下に代表的な治療法をご紹介します。

歯周基本治療

歯周基本治療は、歯周病の進行を抑えるための治療です。

歯垢や歯石を除去するスケーリングや、歯周ポケット内の歯根部についた歯石や感染物を除去するルートプレーニングなどが行われます。また、患者様自身が自宅でしっかりとセルフケアができるように歯磨き指導も行われます。

歯周基本治療は、歯周ポケット内の細菌を減少させ、炎症を抑えることを目的として行われます。

フルマウスディスインフェクション

フルマウスディスインフェクションとは、お口の中全体を一度に徹底的に洗浄し、処置した部位が歯周病菌に再び感染することを抑える治療方法です。

通常の歯周基本治療では数回に分けて行うスケーリングをまとめて行うとともに、抗生物質を服用して体の中からも歯周病菌を除去します。これにより効果的に細菌を取り除き、再感染の予防や進行をおくらせる効果が期待できます。

歯周外科治療

歯周基本治療を行っても症状が改善されない場合には歯周外科治療を行います。歯周外科治療には、主に以下のような手術があります。

フラップ手術

歯周ポケットが深く、通常のスケーリングやルートプレーニングで対応できない場合には、歯茎を切開して歯周ポケット内の感染組織を除去します。これにより、歯周ポケットを浅くし、歯周組織の健康を取り戻します。

歯周組織再生療法

歯周組織再生療法とは、歯周病で破壊された骨や歯周組織を再生させることを目的とした治療法です。特殊な再生剤を用いて、歯周組織の再生を促進します。

この治療法は全ての症例に適応となるわけではありません。お口の中の状態や骨の状況によっては適応とならない場合があります。歯周組織再生療法は高度な技術を要しますが、歯周組織を再生させることで、歯の安定性の回復が可能です。

抜歯

症状が進行しすぎている場合は、残念ながら歯を保存することが難しくなります。感染を広げないためにも抜歯が必要となり、抜歯後は入れ歯やブリッジ、インプラントで歯を補います。抜歯後も引き続き経過観察が必要で、残った歯の健康を守るためのケアが欠かせません。

重度の歯周病の治療費用

重度の歯周病の治療費用イメージ

重度の歯周病の治療にかかる費用は、治療内容や保険適用の有無によって大きく異なります。ここでは、主な治療法ごとの費用について解説します。

歯周基本治療の費用

スケーリングやルートプレーニングなどの歯周基本治療は、一般的に健康保険が適用されます。そのため、自己負担額は負担割合によって異なりますが、3割負担の場合、治療費は1回あたり数千円〜1万円程度が相場です。

治療が複数回にわたる場合、合計で数万円程度になることもあります。

フルマウスディスインフェクションの費用

フルマウスディスインフェクションは、保険適用外の自費治療となることが多いです。費用相場は口腔内の状態によって異なりますが、20万円〜30万円程度です。

歯周外科治療の費用

歯周外科治療の一つであるフラップ手術の費用は、保険適用の場合は2,500円程度、自由診療の場合は約1万円程度です。

歯周組織再生療法は基本的には自由診療となりますが、条件を満たせば一部保険が適用されるものもあります。保険が適用される場合は5,000円〜2万円前後、自由診療の場合は5万円〜10万円程度です。

抜歯の費用

抜歯は保険が適用されます。費用は、数千円〜1万円程度が相場です。

しかし、抜歯をする場合は、その後の失った歯を補うための補綴治療(ブリッジ・入れ歯・インプラント)の費用も考慮しておく必要があります。治療法によって費用は大きく異なるため、事前によく確認しておくことが重要です。

ブリッジや入れ歯の場合、保険適用であれば費用は数万円程度ですが、高品質な材料を使用する場合は自費診療となり費用は高額になります。インプラントは自由診療となることが一般的で、1本あたり30万円〜50万円程度が相場です。

重度の歯周病を放置するとどうなる?

歯周病が原因で糖尿病になった人

重度の歯周病を放置すると、次のようなリスクが高まります。

歯が抜ける

重度の歯周病を放置すると、歯を失うリスクが高まります。歯周病が重度の状態にまで進行すると、歯を支える骨が破壊され、最終的に歯が自然に抜け落ちることがあるのです。抜けた歯は再生しないため、ブリッジや入れ歯、インプラントなどで補う必要があります。

噛み合わせが変化する

歯が失われたり、ぐらついてしっかり噛めない状態が続いたりすると、噛み合わせのバランスが崩れ、顎関節症などの問題が生じる可能性があります。また、ほかの歯に過度の負担がかかり、健康な歯も徐々に弱ることがあります。

噛み合わせの悪化は、食事や発音にも影響を与え、生活の質が低下する原因になります。

全身の健康へ影響する

歯周病菌は、血流を通じて全身に広がり、全身疾患のリスクを高めることが知られています。特に、糖尿病や心血管疾患、脳梗塞などとの関連が指摘されています。

歯周病を放置することで、全身の健康に悪影響を及ぼすリスクが高まるため、特に免疫力が低下している方や高齢者は注意が必要です。

見た目に影響を及ぼす

歯を失ったり、歯茎が下がったりすることで、見た目にも影響を及ぼします。歯の欠損は、笑顔や顔の輪郭に変化をもたらし、自信を失う原因になることもあります。特に前歯が失われると、その影響は大きくなるでしょう。

まとめ

歯周病が治り笑顔の女性

歯周病は、重度の状態にまで進行する前に適切な治療を受けることが非常に重要です。歯茎の腫れや出血、口臭などの症状がある場合は、早めに歯科医院を受診して、歯周病の検査と治療を受けましょう。

早期発見と治療によって、歯の健康を保ち、全身の健康にも悪影響を及ぼすリスクを減らせます。

歯周病にお悩みの方は、東京都板橋区大和町、都営三田線「板橋本町駅」より徒歩30秒にある歯医者「アース歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。

当院は、虫歯・歯周病治療や根管治療、入れ歯・ブリッジ治療などの保険診療だけでなく、インプラント、ホワイトニング、矯正歯科などの自由診療にも力を入れています。ホームページはこちらネット診療予約も行っていますので、ぜひご活用ください。

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