歯周病菌ってなに?歯周病の原因と全身に及ぼす影響について
こんにちは。東京都板橋区大和町、都営三田線「板橋本町駅」より徒歩30秒にある歯医者「アース歯科クリニック」です。
歯周病という言葉はよく聞くかもしれませんが、どんな病気なのか正しく知っている方は少ないのではないでしょうか。
歯周病は、歯垢の中にある菌が増殖して歯茎に炎症を起こす病気です。進行すると顎の骨が溶かされて、歯がグラグラし始めます。治療せずに放置すると、最終的には歯を失うこともあるのです。
この記事では、歯周病を引き起こす歯周病菌とは何かを解説し、歯周病の予防方法や治療などをご紹介します。歯の健康を維持するため、ぜひ参考にしてみてください。
歯周病菌ってなに?
歯周病菌とは、歯周病を引き起こしたり悪化させたりする細菌の総称です。歯磨きの際に除去されなかった食べかすは、歯と歯茎のわずかな隙間に積み重なります。時間が経過すると、ねばねばとした歯垢となって付着します。
歯垢は唾液に含まれるタンパク質を栄養に成長していきますが、その中には約400億もの細菌がいるといわれています。歯周病菌は歯垢の中にあり、歯や歯茎に炎症を起こす原因となります。
つまり、歯周病菌を減らすには、毎食後に正しい歯磨きを行い、歯垢がたまらないようにすることが大切なのです。
歯周病の原因
歯周病とは、歯や歯茎に炎症を起こし、さらに歯を支えている骨を溶かしてしまう病気です。最も大きな原因は歯垢の中にある歯周病菌ですが、その他にも歯周病を引き起こす原因がいくつかあります。
一つずつ確認しましょう。
歯垢の蓄積
上述した通り、歯垢が蓄積されると歯周病の原因になります。歯垢の中には歯周病の原因になる菌を含む400億もの細菌がいるとされているため、しっかり除去できていないとさまざまな口腔トラブルを引き起こすでしょう。
生活習慣
歯周病になる原因は、歯磨きの不足だけではありません。生活習慣も原因になり得ます。
睡眠不足や不規則な食生活など、生活習慣が乱れていると免疫力が低下し、歯周病にかかりやすくなります。喫煙習慣があったりストレスが溜まったりしている場合も、免疫力が低下するでしょう。
正しい生活習慣を維持し、免疫力を高めることが大切です。
遺伝や持病
持病や遺伝なども、歯周病を引き起こすリスクとなります。歯周病は遺伝しませんが、歯周病になりやすい唾液の質や免疫力などは遺伝します。歯並び自体が遺伝するわけではありませんが、顎と歯のサイズなどが遺伝して歯並びが乱れた場合、磨き残しが多くなるでしょう。
また、持病があって普段から免疫力の弱い人は、細菌に抵抗できず歯周病にかかりやすいといえます。
いずれも、歯周病のリスクを抱えていることがわかっている場合には、徹底した歯磨きや規則正しい生活習慣の維持など、今以上にリスクを高めないよう意識しましょう。
歯周病が全身に及ぼす影響
歯周病を治療せずに放置していると、腫れた歯肉の血管内に歯周病菌が入り込み、血流にのって全身へと運ばれていきます。全身へと運ばれた歯周病菌は、全身にさまざまな影響を及ぼすのです。
早産児・低出生体重児
日本臨床歯周病学会の発表によると、歯周病にかかっている妊婦さんは、そうでない場合と比較すると7倍も低出生体重児を出産するリスクが高まるとされています。
妊娠中の妊婦さんは、女性ホルモンの影響で唾液の分泌量が減少することがわかっています。歯周病菌が口腔内で増えやすい状況になるため、歯周病にかかりやすくなるのです。
さまざまなリスクを軽減するためにも、妊娠を希望する人は日頃から歯周病を予防しておくべきといえるでしょう。自身のケアだけでは限界があるので、歯科医院での歯周病チェックやクリーニングなどを受けることが推奨されています。
参照元:日本臨床歯周病学会「歯周病と妊娠」
メタボリックシンドローム
生活習慣病ともいわれるメタボリックシンドロームですが、歯周病が原因で引き起こされる場合もあります。口の中の環境が悪いと腸内環境も悪くなるため、肥満になりやすいのです。
メタボリックシンドロームは、心疾患や血管障害を引き起こす要因となることがわかっています。まずは規則正しい生活を意識して正しい歯磨きを行い、歯周病にならないようにすることが大切です。
糖尿病
歯周病が全身に及ぼす影響のうち、一番リスクが高いのが糖尿病です。歯肉の炎症を放置していると、血糖コントロールがうまくできなくなり糖尿病になる可能性が高まります。
一方で、糖尿病になり血糖コントロールがうまくできないと、歯周病が悪化することもわかっています。つまり、歯周病と糖尿病は相互に悪影響を及ぼす関係といえます。
歯周病を予防する方法
それでは、歯周病を予防するにはどうすればいいのでしょうか。ここでは、日常生活の中で手軽にできる予防方法をご紹介します。
正しい方法で歯を磨く
正しい歯磨きを行うことで、歯垢がつかないように気をつけましょう。歯垢は磨き残しが原因で付着するため、食べかすが残らないような正しいブラッシングを実践することが大切です。
ブラシが届きにくい奥歯や歯の裏側の磨き方、食べかすが残りやすい歯間を掃除するデンタルフロスの使い方などは、歯科医院で指導してもらえます。磨き方がわからず不安な方や、自分では上手にできないと感じる方は、歯科医院でブラッシング指導を受けてみましょう。
定期的にクリーニングを受ける
日常のセルフケアは非常に重要ですが、どれだけ丁寧に歯磨きをしても全ての汚れを完全に除去するのは困難です。そのため、定期的に歯科医院でクリーニングを受けましょう。
頻度は患者様によって異なりますが、虫歯や歯周病のリスクが低い方であれば6ヶ月に1回程度でしょう。リスクが高い方は、1〜2ヶ月に1回と指示されることもあります。歯科医師の指示に従って受診しましょう。
生活習慣を改善する
歯周病を予防するためには、免疫力を高めることも重要です。免疫力を高めるためには、正しい生活習慣が非常に大切です。
具体的には、睡眠時間を確保したり禁煙したり、栄養バランスの取れた食生活を送ったりすることが挙げられます。すべてを変えるのは大変なので、手軽にできることから始めてみましょう。
歯周病の治療内容とかかる費用
歯周病になった場合、どのような治療を行うのか、どれくらいの費用がかかるのか、不安に思う方も多いのではないでしょうか。主な治療法と、かかる費用をご紹介します。
歯周基本治療
まずは、歯周基本治療を行います。プラーク(歯垢)と歯石を除去し、歯周病の症状を改善することが目的です。
最初に歯周ポケットの深さや歯茎の状態を確認するために検査を行います。その後、検査結果に基づいてスケーリングとルートプレーニングを実施します。
スケーリングとは、スケーラーと呼ばれる専用の器具で歯垢や歯石を除去する処置のことです。ルートプレーニングは、歯根(ルート)の表面を滑らかに整えて、細菌や歯垢・歯石の再付着を防止する処置です。
これらの処置を行って、歯茎の腫れなどの症状の改善を目指します。費用は歯周病の進行度合いや口内の状態によって異なりますが、保険適用3割負担の場合3,000円〜1万5,000円程度でしょう。
歯周外科治療
歯周基本治療で症状が改善されなかった場合は、歯周外科治療を行います。具体的には、歯茎を切開して歯根を露出させ、付着した歯垢・歯石を除去します。深くなった歯周ポケット内の汚れを徹底的に除去し、歯茎の健康を取り戻します。
歯周病が重度に進行すると顎の骨が溶かされますが、顎の骨の損失が大きい場合は再生療法も行うことがあります。骨移植などを行って顎の骨を再生させることで、歯を支える土台を強化して健康な状態に保つのです。
費用は患者様の状態によって異なりますが、保険適用3割負担の場合は1万円〜5万円程度です。自由診療の治療法の場合、20万円ほどかかることもあるので歯科医師とよく相談して検討しましょう。
メンテナンス
歯周病の治療が完了した後は、定期的に検診を受けてメンテナンスを続けます。メンテナンスの主な目的は、歯周病の再発を防ぐことです。歯茎の状態や、虫歯などの他の口腔トラブルの有無を確認するのが一般的です。
同時に、クリーニングを行うことも多いでしょう。セルフケアだけでは落とせない汚れがあるため、歯科医師や歯科衛生士が専用の器具を使用して徹底的に汚れを除去します。
メンテナンスの頻度は患者様によって異なりますが、歯周病治療後であれば1〜2か月に1回程度と指示されるでしょう。口内の状態が落ち着いてきたら、3ヶ月〜6ヶ月に1回程度に頻度が低くなっていきます。
メンテナンスにかかる費用は、1回あたり5,000円〜1万円程度です。
まとめ
歯周病は、歯磨きの不足や、生活習慣の乱れ・持病による免疫力の低下などによって起こります。歯周病を予防するためには、歯磨きをしっかりして汚れを残さないこと、生活習慣を正して心身のバランスを整えることが大切です。
歯周病治療を検討されている方は、東京都板橋区大和町、都営三田線「板橋本町駅」より徒歩30秒にある歯医者「アース歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。
当院は、虫歯・歯周病治療や根管治療、入れ歯・ブリッジ治療などの保険診療だけでなく、インプラント、ホワイトニング、矯正歯科などの自由診療にも力を入れています。ホームページはこちら、ネット診療予約も行っていますので、ぜひご活用ください。