
コラム
黒い部分は虫歯?着色かを見分ける方法や治療法

こんにちは。東京都板橋区大和町、都営三田線「板橋本町駅」より徒歩30秒にある歯医者「アース歯科クリニック」です。
歯の表面に黒い点や線が見つかると「これって虫歯なの?」と不安に感じる方も多いでしょう。一見すると虫歯に見える黒い部分でも、実は着色汚れであるケースも多く、自己判断だけでは正確に見分けるのは難しいです。
虫歯と着色では治療法がまったく異なるため、正しい判断と早めの対応が大切です。
この記事では、虫歯と着色の違いや見分け方、放置した場合のリスク、そして治療や予防のポイントについてわかりやすく解説します。
歯の黒い部分は虫歯?

歯に黒い点や線を見つけると、多くの患者さまが「虫歯かもしれない」と心配します。
しかし、歯が黒く見える原因は虫歯だけではありません。外から付着した色素や歯の内部変化など、複数の要因が関係しているため、自己判断では見分けが難しいことが多いです。
歯が黒くなる原因
ここでは、虫歯による黒変とそれ以外の代表的な原因を解説します。
虫歯による黒変
虫歯が進行すると、エナメル質や象牙質が酸で溶け出し、組織が崩壊して黒褐色に変色します。表面がざらついていたり、穴が開いていたりする場合は虫歯の可能性が高く、早期治療が欠かせません。放置すると痛みや歯髄炎へ発展し、治療が複雑になるリスクが上がります。
外因性の着色汚れ
コーヒーや紅茶、赤ワインなどに含まれるポリフェノール、タバコのヤニは歯の表面に付着しやすく、時間とともに黒っぽい膜を形成します。表層に限局しているため、専門のクリーニングやホワイトニングで容易に除去可能です。
着色しやすい飲食物を控え、定期的に歯科医院で清掃を受けると再付着を抑えやすくなります。
歯石や金属の修復物による変色
長期間のプラーク蓄積が石灰化してできた歯石は、口腔内の細菌や色素を吸着し黒く見えることがあります。また、過去に装着した銀歯やアマルガムが経年劣化で黒ずみ、周囲の歯質に色素が沈着することもあります。
歯石はスケーリングで除去でき、金属による変色はセラミックなどへの再治療で改善が期待できます。
内部変色や歯の外傷
歯の神経が虫歯や外傷で壊死すると、内部から色素が漏れ出して歯冠が灰色や黒色に変化します。外傷で血液成分が象牙質に入り込み、時間の経過とともに暗い色調を帯びるケースもあります。
内部からの変色は一般のホワイトニングでは改善しにくいため、ウォーキングブリーチやクラウンでの修復など専門的な処置が必要です。
虫歯か着色かを見分ける方法

歯の表面に黒や茶色の変色を見つけたとき、それが虫歯なのか着色汚れなのかを正確に判断することは、見た目だけでは非常に難しいです。ここでは、虫歯と着色の見分け方について、注意すべきポイントを解説します。
表面の質感と色の広がり
着色汚れは、比較的浅い層に限局していて、歯の表面をなぞると滑らかに感じることが多いです。
一方、虫歯による変色は、エナメル質や象牙質が破壊されており、指先や舌で触れるとざらつきや窪みを感じることがあります。また、虫歯は黒色や茶色が不規則に広がる傾向があり、着色は比較的均一な色調で縁に境目がはっきりしていることが特徴です。
食事や歯磨きで変化するかどうか
着色汚れは、コーヒー・紅茶・タバコなどの外因によって付着することが多く、歯科医院でのクリーニングや専用の研磨剤を使ったブラッシングで簡単に落とせます。反対に、虫歯による変色は構造そのものが崩れているため、磨いても色が変わらず、除去には歯科治療が必要です。
痛みや冷たいものへの反応
虫歯が進行して象牙質や神経に近づいている場合、冷たい飲み物や甘いものを口にしたときにしみる、あるいは噛んだときに痛みが出ることがあります。着色だけであれば、こうした症状は基本的に見られません。
違和感や痛みを伴う黒い部分がある場合は、虫歯を疑って早めに歯科医院を受診しましょう。
歯科医院での検査
見た目だけでは判断がつかないケースも多く、歯科医師の専門的な診査が最も確実な方法です。プローブでの触診や、レントゲン画像による内部構造の確認によって、虫歯の進行度や深さを把握できます。
歯の表面だけでなく、歯と歯の間や歯ぐきの境目など見えにくい部位も含めて診断を受けることが大切です。
黒くなった歯の治療法

黒くなった歯の主な治療法は、以下のとおりです。
虫歯治療
虫歯によって歯が黒くなっている場合、進行の程度に応じて治療方法が異なります。初期の虫歯であれば、削らずにフッ素塗布や経過観察を行うこともあります。
黒く変色して穴が空いているような場合には、虫歯の部分を取り除き、レジン(歯科用プラスチック)などで詰めて修復します。虫歯が神経まで達している場合は、根管治療(歯の神経の処置)を行ったうえで、クラウンなどで覆う処置が必要になることもあります。
クリーニングやホワイトニング
食べ物や飲み物、喫煙などによる着色は、歯の表面に色素が沈着して黒く見えることがあります。この場合は、歯の構造自体に問題はないため、歯科医院でのクリーニング(PMTC)やスケーリングによって除去が可能です。
着色が強い場合や、見た目をさらに改善したい場合には、ホワイトニングで色調を整える選択もあります。
セラミック治療
以前の治療で使われた金属の詰め物や被せ物が原因で、歯や歯ぐき周囲が黒く見えることがあります。これは金属イオンの溶出によるものが多く、セラミックなどの非金属素材に置き換えることで審美性が大きく改善します。
変色の程度によっては、周囲の歯質も一部削って補綴物を再設計することがあります。
ウォーキングブリーチ
歯の神経が失活している場合、歯の内部から黒く変色することがあります。この場合、通常のホワイトニングでは効果が得られにくいため、歯の内側に薬剤を入れて漂白するウォーキングブリーチが適応されることがあります。
それでも色が改善しにくい場合は、セラミッククラウンなどで表面を覆い、審美性を回復します。
歯が黒くなるのを防ぐには

最後に、歯の黒ずみを未然に防ぐために意識したい生活習慣やケアのポイントをご紹介します。
丁寧なセルフケアを行う
毎日のブラッシングを丁寧に行うことが、歯の黒ずみ予防の第一歩です。特に、歯と歯の間や奥歯の噛み合わせ部分は、汚れが残りやすく着色や虫歯の原因となりやすいため、時間をかけて丁寧に磨くことが重要です。
歯ブラシの毛先がしっかりと歯の表面に届くように、力の入れ方や角度にも気をつけましょう。
また、歯ブラシだけでは届きにくい歯間部分は、デンタルフロスや歯間ブラシを併用することで、より清潔な状態を保てます。日々の積み重ねが、歯の白さと健康を守ることにつながります。
食後はうがいや歯磨きを行う
コーヒーや紅茶、赤ワイン、カレーなどの色の濃い食品は、歯の表面に色素が沈着しやすいです。これらを完全に避ける必要はありませんが、飲食後はできるだけ早くうがいや歯磨きを行うことで、着色の蓄積を抑えられます。
また、食事中や食後にこまめに水を飲むことで、口腔内の洗浄効果が高まり、汚れの付着を軽減させられます。外出先などで歯磨きが難しい場合でも、うがいをするだけでも十分に効果が期待できます。
タバコや喫煙習慣を見直す
喫煙は歯の黒ずみを引き起こす大きな要因のひとつです。タバコに含まれる成分が歯の表面に付着すると、ヤニとして沈着し、落としにくい黒い汚れになります。
さらに、喫煙は歯ぐきの血流を悪化させ、虫歯や歯周病のリスクも高まるため、口腔内の健康全体に悪影響を及ぼします。歯の美しさを維持するだけでなく、全身の健康を守るためにも、禁煙や喫煙習慣の見直しを検討することが大切です。
定期的な歯科検診とクリーニング
目に見える着色だけでなく、初期の虫歯や歯石の付着は自分では判断が難しいことが多いため、定期的に歯科医院でのチェックを受けましょう。歯科医師による検診では、目立たないトラブルも早期に発見でき、適切な処置につなげることができます。
さらに、プロによるクリーニング(PMTC)では、自宅では落としにくい細かな汚れや歯石を除去でき、歯本来の美しさを保つうえでも有効です。最低でも半年に1回は歯科検診を受けることが推奨されます。
まとめ

歯に黒い部分を見つけると、多くの方が虫歯を疑いますが、実際には着色汚れや神経の変化、金属修復物の影響など、さまざまな原因が考えられます。虫歯と着色では治療法が大きく異なるため、自己判断せずに専門的な診断を受けることが重要です。
歯の黒ずみを防ぐためには、毎日の丁寧なブラッシングに加えて、着色しやすい飲食物への対策や、定期的な歯科検診が欠かせません。見た目の変化に早めに気づき、適切なケアと治療につなげることで、健康的で美しい歯を長く保てます。
気になる黒ずみがある場合は、まずは歯科医院で確認してもらいましょう。
歯の黒い部分にお悩みの方は、東京都板橋区大和町、都営三田線「板橋本町駅」より徒歩30秒にある歯医者「アース歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。
当院は、虫歯・歯周病治療や根管治療、入れ歯・ブリッジ治療などの保険診療だけでなく、インプラント、ホワイトニング、矯正歯科などの自由診療にも力を入れています。ホームページはこちら、ネット診療予約も行っていますので、ぜひご活用ください。