こんにちは。東京都板橋区大和町、都営三田線「板橋本町駅」より徒歩30秒にある歯医者「アース歯科クリニック」です。
根管治療とは虫歯が歯の神経にまで達した場合に、神経部分を取り除き、根管内を徹底的に洗浄・消毒する治療のことです。根管治療を行うことにより、虫歯によって侵された歯を残すことができます。
しかし、歯の神経が含まれる歯髄には血管も含まれているため、歯髄を除去することで歯に栄養分や酸素が運搬されなくなります。その結果、歯の寿命に影響を及ぼすことがあるのです。
患者さんのなかには「せっかく治療をしても寿命が短くなるなら意味がないのでは?」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。
今回は、歯の神経の役割や根管治療後の歯の寿命の目安、寿命が短くなる原因、寿命を延ばすためのポイントなどについて解説します。
目次
根管治療とは

根管治療とは、虫歯によって歯の神経が侵された場合に行われる治療のことです。
まず、虫歯を治療せずに放っておくと、次第に歯の内部へとダメージが進み、歯髄という部分にまで到達します。歯髄とは、歯の神経や血管を含む部分のことで、ここまで虫歯が進行した場合、歯髄を取り除く治療が必要です。
しかし、歯髄を取り除いただけでは虫歯菌を完全に除去できないため、根管内の消毒と洗浄を行い、内部に薬剤を充填して封鎖する必要があるのです。歯の内部に薬剤を詰めて封鎖したあとは、土台を立てて被せ物を装着します。
このように、神経を抜く処置(抜髄)から薬剤の充填、被せ物を装着するまでの一連の流れを根管治療と呼びます。
根管内は非常に複雑な形状をしているため、根管治療には繊細な処置が求められます。また、少しでも虫歯菌の取り残しがあれば虫歯が再発するリスクが高まるため、洗浄・消毒を繰り返さなければなりません。
そのため、治療終了までには1〜2ヵ月程度、場合によっては半年以上を要するケースもあります。
歯の神経の役割

ここでは、歯の神経の役割について解説します。歯の神経には、主に以下の3つの役割があります。
歯に栄養や酸素を運ぶ
先にも述べた通り、歯髄には神経だけでなく血管も含まれています。そのため、歯髄は酸素をはじめ、カルシウムやミネラルといった栄養分を運ぶ役割も担っています。
栄養分や酸素が供給された歯は丈夫ですが、神経や血管を除去して栄養分や酸素が供給されなくなった歯は失活歯(しっかつし)となります。つまり、歯が死んでしまった状態になるため、歯質が弱くなり、折れやすくなります。
お口のトラブルを知らせる
神経を抜けば痛みを感じなくて済むと思う患者さんもいらっしゃるかもしれません。
しかし、痛みや違和感、冷たいものや温かいものがしみる感覚は、お口のトラブルに気付くサインでもあります。このようにお口の異常を知らせることも歯の神経の重要な役割のひとつです。
歯の自然な白さを保つ
健康な歯は自然な乳白色をしていますが、実はこの白さを維持することも神経の働きのひとつです。健康な歯が自然な乳白色をしているのは、エナメル質の下にある象牙質が透けて見えるためです。
しかし、歯髄を取り除くと、歯の内部に古い血液や変性したタンパク質などが停滞し、歯が黒っぽく見えるようになります。
根管治療後の歯の寿命はどれくらい?

根管治療は、虫歯によってダメージを受けた天然歯を残すためにできる最終手段です。
しかし、神経を抜いた歯は、そうでない歯に比べて寿命が短くなるといわれています。根管治療を受けた歯の寿命の目安は11年程度といわれていますが、実際には5〜30年と大きな個人差があります。
歯を削った量やその後のメンテナンスによっても寿命が左右されるため、毎日のセルフケアに加えて、定期的な歯科受診によって歯の健康状態を維持していくことが重要です。
根管治療後の歯の寿命が短くなる原因

では、なぜ根管治療を行うと、その後の歯の寿命が短くなるのでしょうか。寿命が短くなる主な原因は、以下の通りです。
歯が脆くなるため
先にも述べた通り、歯の神経を含む歯髄を取り除くと歯に必要な栄養分や酸素が供給されなくなります。その結果、歯が脆くなり、歯根が割れやすくなるのです。
特に、被せ物の土台として金属を使用した場合、金属は強度が高いため、接触によって割れる恐れがあります。歯の根っこ部分まで割れた場合には、抜歯が必要になるでしょう。
虫歯に気付きにくくなるため
歯の神経には、痛みや違和感を知らせる役割があります。神経を抜いて痛みを感じなくなればつらい思いをしなくて済みますが、お口のトラブルにも気付きにくくなります。異変に気付かず放置していれば、知らず知らずのうちに虫歯が再発し、重症化する可能性が高くなるでしょう。
根管内が再感染を起こしやすくなるため
根管内は非常に複雑な形状をしているため、しっかりと治療を受けても細菌の取り残しによって虫歯が再発することがあります。また、治療後に細菌が侵入する可能性もあり、歯根に感染を起こすと歯根の先に炎症が起き、根尖性歯周炎を発症する恐れもあります。
根尖性歯周炎を発症すると、激しい痛みが出たり歯ぐきや頬が腫れて膿が出たりといった症状がみられます。この場合、再度根管治療を行うことが一般的ですが、歯の根っこの最も奥に病巣があるため治療が長引くケースが多いです。
なお、2回目以降の根管治療は成功率が下がるといわれているため、場合によっては抜歯が必要となる可能性もあります。
段差やすき間が生じやすいため
根管治療で削った歯には、土台を立てて被せ物を施す処置が行われます。
しかし、この天然歯と被せ物の間にすき間や段差が生じることがあり、その部分に汚れやプラークが蓄積しやすくなります。そのままにしておくと内部に細菌が侵入し、土台となる天然歯の虫歯リスクが高くなるため、寿命に影響することがあるのです。
根管治療後の歯の寿命を延ばすためのポイント

根管治療後の歯の寿命を延ばすためには、以下の点に気を付けることが大切です。
実績豊富なクリニックを選ぶ
根管内は非常に複雑な形状をしており、目視で確認するのが難しい箇所です。細菌の除去や薬剤の充填が不十分になると、二次虫歯を発症するケースもあります。
先にも述べた通り、再感染を引き起こした場合、再度治療を受けても成功率は下がるため、1回の治療で成功させる必要があります。
そのため、実績が豊富で質の高い治療が受けられる歯科医院を選ぶことが重要です。根管内を拡大して確認できるマイクロスコープや、唾液によって歯根が汚染されるのを防ぐラバーダム防湿を取り入れている歯科医院を選ぶのもポイントです。
治療を途中でやめない
軽度の虫歯治療であれば、1回で完了することもあります。
しかし、根管治療では何度も洗浄と消毒を繰り返す必要があるため、治療期間が長期にわたることが一般的です。
治療に通うことが面倒になって途中でやめたり、受診の間隔が空きすぎたりすると、治療の成功率に影響します。仕事の都合などで受診が難しくなる場合には、早めに歯科医師と相談することが大切です。
毎日のケアを丁寧に行う
根管治療によって悪い部分を取り除けば一安心だと感じる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、その後のケアを怠ると、虫歯が再発して歯の寿命が短くなる可能性があります。また、歯周病を発症すれば被せ物を施した歯が抜け落ちる可能性もありますので、毎日のケアは丁寧に行うようにしましょう。
定期的にメンテナンスを受ける
根管治療後は、定期的にメンテナンスやチェックを受けることが重要です。
根管治療を受けた箇所はもちろんですが、ほかの箇所に虫歯や歯周病などのトラブルが生じることもあります。また、毎日ケアを丁寧に行っていても汚れやプラークは蓄積しますので、定期的にプロのクリーニングを受けるようにしましょう。
まとめ

本記事では、歯の神経の役割や根管治療後の歯の寿命の目安、寿命が短くなる原因、寿命を延ばすためのポイントなどについて解説しました。
歯の神経には、歯に栄養分や酸素を運んだり、歯の異常を知らせたりする重要な役割があります。そのため、根管治療によって神経を取り除くと、歯の寿命が短くなることがあります。
しかし、適切なメンテナンスやケアを行えば、20年〜30年維持することも可能です。質の高い治療が受けられる歯科医院を選ぶことや丁寧なセルフケアを行うことを心がけ、歯をできるだけ長く維持しましょう。
根管治療を検討されている方は、東京都板橋区大和町、都営三田線「板橋本町駅」より徒歩30秒にある歯医者「アース歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。
当院は、虫歯・歯周病治療や根管治療、入れ歯・ブリッジ治療などの保険診療だけでなく、インプラント、ホワイトニング、矯正歯科などの自由診療にも力を入れています。ホームページはこちら、ネット診療予約も行っていますので、ぜひご活用ください。