こんにちは。東京都板橋区大和町、都営三田線「板橋本町駅」より徒歩30秒にある歯医者「アース歯科クリニック」です。
子どもに見られる歯並びの問題のなかでも、出っ歯は特に気になるもののひとつでしょう。見た目だけではなく、将来の噛み合わせや発音、口腔内の健康にまで影響を及ぼす可能性があるため、早めに対処したいと考える保護者の方もいるのではないでしょうか。
「どうしてうちの子が出っ歯になったの?」「成長すれば自然に治るのでは?」と不安や疑問をおもちの方も少なくないでしょう。
この記事では、子どもが出っ歯になる原因や放置した場合のリスク、治療法、日常生活でできる予防法まで、わかりやすく解説します。正しい知識を持つことは、子どもの将来の口元の健康を守る第一歩になります。ぜひ参考にしてください。
目次
出っ歯とは

出っ歯とは、上の前歯が通常よりも前方に突出している状態を指します。医学的には上顎前突(じょうがくぜんとつ)と呼ばれ、歯が前に出ている場合と上顎の骨自体が前に出ている場合があります。
特に子どもの場合は顎の骨がまだ成長途中であるため、歯並びの変化が起こりやすく、出っ歯が目立ちやすい傾向があります。また、出っ歯には個人差があり、見た目ではっきりとわかる場合もあれば、本人や周囲が気づきにくい軽度のものも存在します。
ただし、軽度であっても噛み合わせや発音に影響が出ることがあるため、注意が必要です。子どものうちに対処することで将来的な歯列矯正の負担を軽減できる可能性があります。放置せずに歯科医師に相談しましょう。
子どもが出っ歯になる原因

子どもが出っ歯になる背景には、さまざまな要因が絡み合っています。遺伝的な要素もありますが、生活習慣や成長過程の癖が影響するケースも多く見られます。ここでは、主な原因をいくつか詳しく解説します。
指しゃぶりや舌癖などの癖
3歳を過ぎても指しゃぶりを続けていると、前歯に持続的な圧力がかかり、前方に押し出されて出っ歯になる可能性があります。また、舌で前歯を押す癖(舌突出癖)も、同様に歯列に影響を及ぼします。
これらの癖は無意識下で行われる場合が多いため、保護者の方が早めに気づいて対処することが重要です。
口呼吸の習慣
口呼吸は上顎の成長に悪影響を与え、出っ歯の原因となることがあります。口呼吸によって舌の位置が下がると、上顎の発達が不十分になりやすいため、歯並びが乱れやすくなるのです。また、口腔内が乾燥しやすくなるため、むし歯や歯周病になるリスクも高まります。
遺伝による影響
出っ歯は、親から子へと受け継がれる骨格の特徴によっても起こります。例えば、上顎が前に出ている、下顎が小さいといった骨格的な問題は遺伝することがあるのです。遺伝的な傾向がある場合でも、適切なタイミングで矯正治療を行えば、改善は十分可能です。
歯が大きすぎる・顎が小さすぎる
歯の大きさと顎の大きさのバランスが合っていない場合、前歯が並びきれずに前方に押し出され、出っ歯になることがあります。特に、現代の子どもは顎が小さい傾向があるため、歯並びのスペース不足による不正咬合が増えていると指摘されています。
子どもの出っ歯を放置するリスク

出っ歯は見た目だけの問題だけではなく、将来的な口腔の健康や生活の質に大きな影響を与える可能性がある歯並びです。子どもの成長とともに状態が悪化することもあるため、早めの対応が重要です。以下では、出っ歯を放置した場合に起こりうるリスクを具体的にご紹介します。
前歯が折れたり欠けたりしやすくなる
前歯が突出している状態では、転んだり顔をぶつけたりしたときに、前歯が衝撃を受けやすくなります。その結果、歯が欠けたり折れたりするリスクが高くなります。スポーツや遊びが活発な幼少期には、特に注意が必要です。
発音が不明瞭になる
出っ歯の子どもは、サ行やタ行などの発音が不明瞭になる傾向があります。これは、前歯の位置によって舌の動きが制限され、正確な音を出しにくくなるためです。誤った発音の仕方のまま成長すると、大人になってから矯正しても元に戻すのが難しくなることがあります。
口が閉じにくくなる
出っ歯の子どもは、口をしっかり閉じられないことが多く、口呼吸が習慣化しやすくなります。
口呼吸は、乾燥による虫歯・歯周病リスクの増加、口臭の原因、さらには睡眠の質の低下にもつながります。さらに、口が開いたままの状態が続くと、顔全体の発育バランスにも悪影響を及ぼすことがあります。
噛み合わせが悪くなる
上下の歯がうまく噛み合わないと、食べ物をしっかり噛み切れなくなります。しっかり咀嚼しないまま食べ物を飲み込むと、消化器官に負担がかかり、消化不良を引き起こす可能性があるでしょう。また、満腹感を得にくくなり、過食や栄養バランスの乱れにもつながる恐れがあります。
何歳から出っ歯の矯正は受けられる?

「出っ歯の矯正は何歳から受けられるの?」という疑問をおもちの保護者の方は多いでしょう。矯正治療を始めるべきタイミングは子どもの成長段階に応じて異なりますが、一般的には6歳〜12歳ごろに始めるのがよいとされています。
矯正治療は1期治療と2期治療の2段階に分けられます。1期治療は、6歳前後から12歳ごろまでの乳歯と永久歯が混在する混合歯列期に行われます。この時期は顎の骨の成長を活かせるため、骨格的な問題にも対応しやすくなります。
早いうちに治療を始め、成長を利用しながら顎のバランスを整えられれば、本格的な矯正が不要になる場合があります。また、前歯の突出を早めに改善することで、心理的なコンプレックスの軽減やケガのリスクの低下といったメリットも得られます。
ただし、成長の度合いは子どもによって異なるため、治療を開始するタイミングについては歯科医師に相談しましょう。
子どもの出っ歯を矯正する方法
出っ歯を矯正する方法にはさまざまあり、子どもの年齢や成長段階、出っ歯の程度に合わせて選択されます。治療の目的は、見た目を改善することだけではありません。噛み合わせを正しくしたり発音を正常にしたりすることも含まれます。
以下では、子どもの出っ歯を矯正する方法を1期治療と2期治療にわけて解説します。
1期治療
1期治療では、主に以下の矯正方法や装置が選択されます。
床矯正
床矯正は、プレート型の矯正装置を装着し、歯を並べるスペースを確保する治療法です。
装置は取り外せるため、食事や歯磨きがしやすい一方で、毎日きちんと装着する自己管理能力が求められます。お子さん自身で装置の管理は難しいため、保護者の方のサポートが必要な治療法といえるでしょう。
急速拡大装置
急速拡大装置は、上顎の骨の幅を広げることを目的とした固定式の矯正装置です。特に上顎が狭いことで出っ歯になっているケースに効果的です。装置の中央にあるネジを定期的に回すことで、顎の骨に力を加え、短期間で拡大を促します。
装着時には多少の違和感が伴いますが、正しい時期に使用すれば、将来的な矯正の負担を軽減できる可能性があります。歯科医師の管理のもと、適切な期間に使用することが大切です。
インビザライン・ファースト
インビザライン・ファーストは、マウスピース矯正で知られるインビザラインシリーズのなかでも、6〜10歳ごろの混合歯列期の子どもを対象とした専用プログラムです。
透明なマウスピースを使い、見た目に配慮しながら矯正できるのが大きな特徴です。歯列の幅の拡大と歯の移動を同時に行える点もメリットといえるでしょう。
ただし、マウスピースは1日20時間以上装着しなければなりません。家庭での装着管理と本人の協力度が成功の鍵となります。
2期治療
2期治療では、ワイヤー矯正かマウスピース矯正が選択されることが一般的です。それぞれについて解説します。
ワイヤー矯正
歯の矯正といえばワイヤー矯正を思い浮かべる方も多いでしょう。ワイヤー矯正は永久歯が生えそろったあとに行われる矯正方法のひとつです。歯にブラケットを取り付け、そこにワイヤーを通して歯を動かしていきます。
歯の細かい位置調整が可能で、仕上がりの精度が高いのが特徴です。見た目が気になる場合には、透明なブラケットや裏側矯正などを選ぶこともできます。
マウスピース矯正
マウスピース矯正は、取り外しが可能なマウスピースを使用して歯並びを整える矯正方法です。マウスピースは透明のため、装着していても目立ちにくく、学校生活に支障をきたしにくい点が魅力といえます。
ただし、適応できる症例が限られているため、事前の診断が重要です。
子どもが出っ歯になるのを予防するためには

出っ歯は、矯正治療で改善できるケースが多いものの、そもそも予防できるのであれば、それに越したことはありません。特に成長期の子どもは、日常生活の習慣が歯並びに大きな影響を与えるため、早い段階からの対策が効果的です。
ここでは、出っ歯を予防するために意識したいポイントをご紹介します。
指しゃぶり・舌癖を早期に改善する
指しゃぶりは、2〜3歳くらいまでは様子をみても構いません。
しかし、4歳以降も続いている場合は、歯並びに影響を与える可能性が高くなります。無理にやめさせるのではなく、安心感を得られるほかの方法を見つけたり、話をしながら本人の意識を変えたりするアプローチが有効です。
舌で前歯を押す癖がある場合も、気づいたら優しく声をかけてあげましょう。
正しい姿勢を意識する
姿勢の悪さも、出っ歯と関係があることをご存じでしょうか。特に、前かがみの姿勢が続くと口呼吸になりやすく、口元の筋肉や顎の発育に悪影響を及ぼすことがあります。歯並びが乱れるのを防ぐためにも、食事中や勉強中は姿勢をよくしましょう。
噛む力を育てる食事を取り入れる
現代の食生活にはやわらかい食べ物が多く、顎を十分に使わずに食事を済ませる傾向があります。よく噛んで食べることで、顎の発達が促され、出っ歯の予防につながります。
噛みごたえのある根菜類や海藻類、乾物などを積極的に取り入れ、食事の時間をしっかり確保することも大切です。
定期的に歯科検診を受ける
出っ歯の兆候は、家庭では気づきにくいこともあります。かかりつけの歯科医院で定期的に検診を受けることで、早期発見と早期対応が可能になります。特に、混合歯列期に入るタイミングでのチェックは重要で、歯並びの変化に気づいてもらえる機会となります。
まとめ

子どもの出っ歯は、見た目だけではなく、発音や噛み合わせなど多くの面で影響を及ぼします。その原因は指しゃぶりや舌癖、遺伝的な要因など多岐にわたり、成長過程において徐々に目立ってくることも少なくありません。
矯正治療は早ければ6歳前後から始められ、成長を利用した治療によって将来の負担を軽くできる可能性があります。
加えて、出っ歯を予防するためには生活習慣の見直しが欠かせません。また、定期的に歯科医院を受診し、専門家のアドバイスを受けることが、子どもの健康な歯並びを守る第一歩となります。
小児矯正を検討されている方は、東京都板橋区大和町、都営三田線「板橋本町駅」より徒歩30秒にある歯医者「アース歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。
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